【ゲームスラング】フレンドスロップ (Friendslop)」とは?新しいインディーゲームのビジネスモデルを読み解く
フレンドスロップとは、かなり端折って説明すると「フレンドとわちゃわちゃして遊ぶようなカジュアルな協力プレイゲーム」です。
しかしそれではあまりにも雑な説明なので詳しく調べてみました。
特に最近リリースされたもので言うと(2025年12月執筆)
・R.E.P.O.
・PEAK
・RV There Yet?
などの共通した特徴を持つゲームの総称(スラング/蔑称)であり、少なくとも2025年現在は「ゲームジャンル」としては扱われていません。それぞれのゲームがホラー、アクションなどすでに確立されたジャンルを持っています。よってフレンドスロップ/Friendslopという言葉は「ビジネスモデルの名称」もしくは単にスラングとして扱う方が妥当かもしれません。
数年前にリリースされたゲームを挙げると
・Phasmophobia
・Lethal Company
なども同じ特徴を持っていると言えます。
これらのヒット作から影響を受けたと思われるゲームが2025年頃に多数リリースされ爆発的な人気を誇り、それらを一言で表すスラングが誕生したようです。
顕著な特徴は以下の点が挙げられます。
- 協力プレイ (COOP) ゲームである
- 意思疎通(VC)が重要である
- リプレイ性が高く、1セッションは短めである
- 配信映えするような仕掛けが多くある
- 低予算/少人数で開発されたインディーゲーム
- 低価格である
🎤ストリーマーベイトとは何が違うの?
数年前から「ストリーマーベイト (Streamer Bait)」という言葉があります。
これは個々のプレイヤーが楽しむ体験よりも、Twitchストリーマーを釣って大規模な視聴者層の前でプレイさせ、人気を急上昇させることを主眼としたゲームを指します。これらは特にホラーゲームに対してよく使われていました。FNAFなどのヒットに影響を受けたゲームが出始めて使われるようになったと言われています。
しかしストリーマーベイトと呼ばれるゲームにはソロでもプレイ体験を損なわないゲームも含まれているのに対して、「フレンドスロップ (Friendslop)」はマルチプレイ、特に仲の良いフレンドと遊ぶことを前提とした作りになっています。
フレンドスロップは基本的にストリーマーベイトの特徴も持っています。つまり、「フレンドスロップ」は「ストリーマーベイト」という大きな括りの中に含まれる、より特化した部分であると言えます。
🎮 なぜ「仲の良いフレンドと遊ぶこと」が前提と言えるのか
1. 妨害行為が可能な設計
協力プレイであるにも関わらず、味方の妨害(トロール)が可能な設計になっていることが多いです。
フレンドリーファイア(FF)やアイテムの破棄、通せんぼ、MPK(敵キャラクターを利用してフレンドをキルする)など。
通常のCOOPゲームであれば、初対面のプレイヤー同士で遊ぶことも想定しているため、そういった妨害行為ができない仕様になっていたり、悪質なプレイを通報する機能があったりします。しかしフレンドスロップと呼ばれるゲームは、あえてそういった「いたずら」や「事故」までも楽しめるように設計しているものが多いのです。
2. ユーモアを生むVCの仕組み
さらにゲーム内VCにもフレンドと遊ぶための工夫が仕込まれていることが多いです。
距離減衰があり、キャラクターが死亡するとその瞬間にVCが途切れます。本来はともにクリアを目指す味方なのに、死亡したときの断末魔を聞いて笑いが起こるのは、これらのゲームが他の協力プレイゲームと差別化される理由の一つです。
また特定の状況でユニークなボイスフィルターがかかるゲームもあります。普通の協力プレイゲームでマッチングした味方に対して「変な声になっているよ」なんて言い辛いですよね。しかしフレンドと遊ぶならそういったエフェクトや味方の死亡は愉快な一幕になります。
※必ずしもオンラインマッチングが実装されていないわけではない。
例に挙げたゲームでもオンラインマッチングが可能なタイトルがありますが、リリースの初期段階ではその機能が実装されておらず、アップデートによって追加されたケースが見られます。つまり、少なくとも開発の初期段階では、「初対面の人とのプレイ」は想定されていなかったと思われます。
💰 友人同士で購入を促すビジネスモデル
筆者がフレンドスロップを「一つのビジネスモデルだ」と言っている理由の一つとして「Remote Play TogetherやLANプレイには対応しない」という共通点を見つけたからです。
本来の協力プレイのゲームは、LANプレイやSteamの「Remote Play Together」といった機能に対応することで、ゲームを所持していない友人がゲームに参加でき、気に入ったならその人も購入する、といった形で売り上げを伸ばすことができます。その友人は「一体どんなゲームなのか」「自分で購入する価値はあるのか」を多少なりとも意識してプレイすることでしょう。
しかしフレンドスロップゲームは、オンラインでフレンドと遊ぶことそのものが大きな価値であり、ゲーム本体も低価格なため「遊ぶためには購入しなければならない」という事へのハードルが低いのです。もっと言えば既に所持している人は、未所持の他の友人を誘って「購入してもらう」ことも難しくないのです。
これらは表面上は「新しいゲームを購入する」ことなのですが、本質は「友人と遊ぶためにお金を支払う」とも言えるのです。よって、あえてLANプレイやRemote Play Togetherに対応していないことで利益を最大化させることができるのです。これは明らかに意図されたマーケティングの手法であり、新しいビジネスモデルと言えるでしょう。
📌 まとめ
「フレンドスロップ (Friendslop)」は、単なるゲームジャンルではなく、「仲の良い友人とのオンラインプレイ体験」そのものの価値に重きを置いた新しいビジネスモデルであり、それに特化したインディーゲームのスラングとして誕生しました。
低価格、高いリプレイ性、そして配信映えする設計に加え、あえて妨害要素を残すことでフレンドとの「わちゃわちゃ感」を最大化し、LAN/Remote Play Together非対応とすることで「友人全員に購入させる」という仕組みを確立しています。
このビジネスモデルは、既にインディーゲーム市場に大きな影響を与えていると言えます。
⚠️ 本記事について
本記事における「フレンドスロップ (Friendslop)」という用語や分析は、特定のゲームタイトルや開発者を攻撃したり、その作品を批判したりする意図は一切ございません。あくまで新しいゲーム文化、ビジネスモデル、そしてスラングの動向を客観的に考察することを目的としています。またゲームタイトルなどの名称はそれぞれの権利者の著作物であり弊社とは無関係です。また執筆時点(2025/12/01)の情報をもとにしています。
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